ドリス・ストーク女史は霊能養成会を開いているが、ある日の交霊会にその会員十二人が揃って出席してシルバーバーチと対話を交えている。その時の質疑応答を紹介しておこう。

-指導霊はどのようにして決まるのでしょうか。(ここでは守護霊も含めた背後霊全体の意味で訊ねている)

「宇宙には斥力(反発力)があるように引力(親和力)もあります。親和性のある者同士が自動的に引き合い、引かれ合うという法則です。愛は、霊力と同じく、宇宙で最も強力なエネルギーの一つです。バイブルにも、愛は摂理の成就である、とあります。摂理として顕現している大霊は、愛と叡知の権化だからです。
 時として地上での前世の縁で指導霊となる場合もあります。どうしても片付けなければならない事が地上にあって、その為に再生することになった場合、霊的自我は予めそのことを承知しております。そして同じ霊系の高級霊の指導のもとに段取りを整えます。
 指導霊としての責務を引き受けた霊は、それまでに身に付けた霊的素質の多くを犠牲にして(波動を下げて)、この魅力のない世界-と言っては失礼ですが-の圏内へと降りて来ます。それは、危険と犠牲を強いられる仕事ですが、それを敢えて引き受けることが出来るということは、その霊の進化の水準の高さの証明でもあるのです。
 その犠牲的献身によって地上の人々の人生に光明をもたらし、生きる目的を見出させ、使命を成就させることになるのです。ここに愛の摂理の実践の典型があります」

-私が向けている関心の一つに動物への福祉問題があります。が、英国でも動物実験が多いことを疑念に思っております。何かよい改善方法はないものでしょうか。

「これは私にとって極めてお答えしにくい問題の一つです。簡単に[こうしなさい]と申し上げたいところですが、それが出来ません。なぜかというと、地上生活の目的の一つは霊的意識の覚醒です。それが成就されれば、大局からの物の見方が出来るようになります。優先すべきものを優先させることが出来るようになるということです。合わせるべき焦点が正確になるということです。
 残念ながら現段階の人類の大半は、霊性の発達の欠如から、自分が元々霊であり、それと同じものが動物にも宿っていることが理解できません。確かに人類は機能的には動物に優ります。が、本質的には同じ霊的存在なのですから、自分より進化の低い階梯にある動物を慈しみ保護してやるべきなのに、自分達の病気治療の研究の為に、無抵抗の動物を材料として、残酷な実験を繰り返しております。が、これは間違いです。
 こうした邪悪な、悪魔的ともいえる動物実験を止めさせる為にも、時間は掛かりますが、まず霊的知識の普及が必要です。そして、人類全体が、今行われていることが間違いであることに気付く段階にまで意識が向上する必要があります。短期的に見れば、それまでは、一時的に今まで以上に動物実験が盛んになることもあるでしょう。
 皆さんとしては、何とかして生きた動物に苦痛を与える方法以外の方法へ転換させるように、不断の努力をすることです。決して諦めてはいけません。霊的な旗印を鮮明に維持し続けることです。点滴、岩をもうがつ、と言います。最後まで頑張ってください」

-霊性開発に努めているのですが、一歩進んだかと思うと二歩後退しているように思えます。こういうものなのでしょうか。背後霊や私の母親は私に絶望しないかと心配なのですが・・・

「二歩後退しているというのは、どうして分かるのでしょうか」

-努力すれば努力する程、人に与える印象がスピリチュアルでなくなっていくように思えるのです。

「霊的な褒賞はそう簡単に得られるものではありません。もしも簡単に得られるものであれば、あえて得る程の価値はないことになります。この道は石ころだらけの、進みにくい悪路の連続です。霊的摂理の関係上どうしてもそうならざるを得ないのです。
 考えてもごらんなさい。もしあなたが困難と悲哀と苦悶の体験をしなかったら、そういう逆境の中にいる人があなたのもとを訪れた時、あなたはどう対処なさるのでしょうか。空は晴れ渡り、太陽が燦燦と降り注ぎ、何の苦労もない毎日を送っているようでは、魂は目を覚ましません。困苦と難渋の中でこそ魂は目を覚ますのです。
 魂の奥に隠された黄金は、叩き砕かれて初めてその光輝を発揮することになるのです。ダイヤモンドは最初からあの美しい姿で飾られているのではありません。元は土塊と埃の中に埋もれていたのです。それが掘り起こされ、砕かれ、磨き上げられて、ようやくあの輝きを見せるのです。
 霊性も同じです。しごかれ、試されて初めて発揮されるのです。鋼鉄と同じです。それ以外に方法はないのです。苦難を体験して初めて例の光輝と崇高性が発揮されるのです。
 ですから、困難を魂への挑戦課題として歓迎するのです。それが地上人生の目的なのです。もしも気楽で呑気な生活を送っていたら、内部に宿る素晴らしい霊性に気付かないまま生涯を終えることになります」

-私は精神統一の修業を何年も続けておりますが、どうすれば一番良いのでしょうか。

「今まで通り修業なさることです」

-これからもずっとですか。

「そうです。完璧の域に達するには永遠の時を要します。勿論地上生活では不可能ですし、こちらへお出でになっても、やはり不可能です。完全なのは大霊のみです」

-大霊と一体になるのは可能なのでしょうか。

「本質的には人間は大霊と一体です。霊性において繋がっているという意味です。ですから、心配・不安・悩みといった低級感情を消し、大霊の計らいに絶対的な確信と信念を抱き、世俗の喧噪から遁れて魂の奥に入り、平安と静寂の中に休らい、不屈の精神に燃えることです。精神を統一するには色々な方法があります。いずれにしても、決して容易ではありません。が、修業の努力は必ず報われます」

-ある人の為に苦心惨憺して、全身全霊を傾けた挙句に、お礼どころか、酷いしっぺ返しを受けることがあります。

「霊的能力を授かった人の責任は、いつでも手を差し伸べる用意をしておくことです。あなたが力になってあげることの出来る人が連れてこられます。あなたの方から探して回ることはありません。あなたから発せられる霊的な光輝によって、そういう人が引きつけられるのです。その時こそあなたが人の為に役立つことが出来るチャンスです。
 あなたが精一杯の努力によって、仮に成果を上げることが出来なくても、それはあなたが悪いのではありません。その人がまだ霊的な用意が十分でなかったということです。そんな時、折角のチャンスが実らなかったことに、密かに涙を流してあげて、又いつか、チャンスが巡ってくることを祈ってあげることです」

-霊界の住民は誰でも地上の者と通信できるのでしょうか。又、みんな通信したがっているのでしょうか。通信には特別の練習がいるのでしょうか。

「霊界から地上界へと通信を送るのは、そう簡単なものではありません。様々な障壁があります。が、それらを克服して通信を送ってくるのは、愛の絆があるからにほかなりせん。愛もなく、地上界へ何の魅力も感じない人もいます。地上を去ったことを喜んでいるのです。更には、死んだことに気付かず、いつまでも地上圏をうろついている者もいます。
 地上人類への愛念を抱く霊-それは必ずしも地上的血縁関係のある者とは限りません-は、ありとあらゆる手段を尽くして地上界と接触しようと努力します。そして通信を送るテクニックを身につけます。地上界と霊界とでは存在の次元が異なります。同じ霊的存在であっても、地上の人間は肉体という物質にくるまれた霊です。そこに通信の難しさが生じます。こうして私が通信しているのを、あたかも受話器を取ってダイヤルを回すだけの電話のように想像してもらっては困ります。電話ですら不通になったり混線したりします。
 霊界通信にも困難はつきものです。が、愛・友情・親和性・血縁関係、それに相互の関心のあるところには、通信を可能にする為の、ありとあらゆる努力が為されます」

-私は未だに自分のことがよく分かりません。私の為に働いてくれている何者かがいることは分かるのですが、まだ自分の指導霊ないし支配霊が誰なのか分かりません。

「光を見出すのは闇の中にあってこそです。喜びを見出すのは悲しみを味わってこそです。健康の有り難さが分かるのは、痛みを味わってこそです。あなたはご自分についてこれから見出していかれます。本当の自我はちゃんとあるのです。ずっと存在しているのです。
 焦ってはいけません。地上の人間の悪い点は、せっかちだということです。霊的成長はインスタントに身につくものではありません。私達も、あなた方が長い眠りから覚めるのを根気よく待っているのです。何十年も掛かるかも知れません。ところが、ようやく目覚めると、いきなり[何をぼやぼやしているのです!早くやらなくては!]と言い出します。
 大霊は急ぎません。全てが計画通りに着実に進化するように、摂理を配剤しておられるのです。 
 その内あなたの真の姿が明らかにされる日が来ます。あなたは今、梯子の一番下の段に足を置いたばかりです。これから昇り始めるのです。幾つもの段を昇らねばなりません。が、昇るにつれて、ご自分について、そしてご自分の無限の可能性について悟るようになります」

-この世を去った後辿る七つの界層についてご説明願えませんか。一界一界どういう過程を辿るのか、また各界がどういう仕事をするのか、大雑把で結構ですが・・・・

「まず最初にお断りしますが、私はその[七つの界]とやらを知りません。第一から第七まで番号のついた界というものを私は知りません。私が知っているのは、たった一つの界があって、それが無限の階梯をなしているということです。霊性が高まれば、自動的に次の境涯へと進化していきます。そういう過程が永遠に続くのです。なぜなら完全は永遠の時を要するからです。
 どういう仕事をするか、ですか。それはその人によりけりです。もしも授かっていた才能を地上で発揮できなかった人は、こちらへ来て発揮するよう努めます。地上でやりたくても叶わなかったものが、こちらで出来ます。例えば、子供が大好きなのに子宝に恵まれなかった人は、こちらで多くの霊的孤児(幼くして親より先に他界した子供)の面倒を見ることになります。
 心霊治療家だった人は、こちらの病院でその能力を発揮することが出来ます。音楽の才能のある人は、地上で経済的な理由から音楽会などに行けなかった人達の為に演奏会を開くことも出来ます」

-私はどのスピリチュアリスト教会にも所属していないのですが・・・

「それで何か不都合でも生じましたか」

-私はどうということはありません。多分あなたにも・・・

「私もどうということはありませんよ」

-どういうわけか私は教会に所属する気になれないのです。何かが私を躊躇させるのです。何なのでしょうか。

「人間には自由意志と責任があるというのが、私達の基本的理念です。自分の意志を自由に表現する機能を大霊から授かっています。糸で操られる人形ではないということです。自由意志があるということです。勿論、ある一定範囲内でのことです。つまり、あなたが到達した進化の程度に応じて行使できる範囲が決まるのです。
 もしもあなたが気に入らないと思えば、拒否なさればよいのです。あなたにはもっと別の進むべき道があるのかも知れません。霊界の方から強制することはありません。援助を求めている人にだけ援助します。ただし、あなたが選択なさることについての責任は、全てあなたにあることにもなります」

ストーク女史「この方はご自分ではそうは思っていらっしゃらないでしょうけど、人間的にはスピリチュアリストをもって任じている人よりもっとスピリチュアリスト的な方です」

「打ち明け話をしましょう。私自身もスピリチュアリストだとは思っておりません。私は肩書きには関心がないのです。どうでもいいことです。こちらの世界では何の意味もありません。大切なのは人の為に役立つことをし、可能な限り最高の理想へ向かって生きることです。皆さんの名前だって随分いい加減なものです。私が関心をもっているのは、霊的自我と、それをどのように発揮しようとしているかです」

-私はスピリチュアリズムが大好きなのですが、時折怖くなることがあります。なぜだか自分でも分からないのですが・・・・

「恐怖心というのは[未知]であることから生まれるものです。分かってしまえば恐怖心は消えます。ですから、なるべく多くの知識を手に入れることです。多く知ることにより、それが光となってあなたの全存在を照らし、恐怖心を追い払います」

ストーク女史「私から質問があります。私は養成会を指導しているのですが、私自身は正式なトレーニングを受けていないものですから、やり方が伝統的ではありません。体験に基づいて私の思うままに教えるしかありません。これまでのやり方でよろしいのでしょうか。それとも私自身がもっと正式なトレーニングを受けるべきでしょうか」

「大霊が無限であるということは、大霊に近付く道も無数にあるということを意味します。たった一本の道というものではありません。又、どこかの一個の団体の専売特許でもありません。私達は[今流行の]とか[伝統的な]といった方法には拘りません。むしろ非伝統的であることに誇りを覚えるくらいです。伝統的ということは古臭いということを意味し、進歩がないということの証明でもあります。
 例えばチャクラ(注)について説くことは必ずしも必要とは考えません。肝心なことは、特別な人(霊能者)に賦与されている霊的能力を発現させることです。誠実さを動機とし、人の為にということをモットーとしておれば、道を誤ることはありません。

(注 チャクラというのは[車輪]を意味するサンスクリット語で、肉体と幽体の接着剤的役割をしている[ダブル]にある七つの皿状の凹んだ渦巻きのことである。これから回転することによって生命力を出し入れしている。
 これが霊的能力にも大きく関わっていて、ヨガではこの開発を奨励する。シルバーバーチがあまり勧めないのは、とかく超能力に拘って霊性の開発を疎かにする傾向があるからで、私は、人体の構造と内臓器官の生理を知ることが治療家にとって不可欠であるように、霊的開発を本格的に志すには、こうした霊的生理について知ることが不可欠であると考えている-訳者)

 ご自分でこうだと思うことを実践なさることです。間違っていれば、直ぐに気付きます。大霊は各自に判断のモニター装置を植え込んでくださっています。道から外れかけていると、直ぐに警告を発してくれます。目的さえ誠実であれば、必ず良い結果が得られます。
 私は、こうして養成会の皆さんと語り合う機会を得たことを大変嬉しく思うと同時に、これが皆さんにとって何らかの力になることを望んでおります。又、皆さんからお寄せくださる愛と感謝と情愛に深く感謝の意を表現したいと思います。私の語ったことが皆さん方の存在の中に宿り、人生とその目的について、以前より少しでも深く理解する上で力になっていることを知ることは、私にとって途切れることのない感謝の源泉です」

ストーク女史「養成会を代表して私から、本日こうしてあなたとの語り合いの機会を設けてくださったことに厚くお礼申し上げます。この日をどれだけ心待ちにしていたことでしょう。きっと生涯忘れ得ない夜となるものと信じます。これからは、あなたの霊言集を読む度に[ああ、自分はこの方と直接語り合ったのだ]と、今日のことを思い出して、その光栄をしみじみと思い出すことでしょう。皆の者に成り代わって私から改めてお礼申し上げます」

「そのお言葉は有り難く頂戴致しますが、いつも申し上げておりますように、私はいかなる礼も頂きません。指導霊や支配霊を崇拝の対象とする傾向に対して、私は断固として異議を唱えます。崇拝の対象は大霊以外にはあってはならないのです。
 私は地上の年数にして皆さんより遙かに長く生きてきたというだけのことです。その間に為し遂げたことの結果として、地上の言語では説明の出来ない光明と美に溢れた境涯に到達することが出来ました。
 既に何度も申し上げた通り、そういう境涯にいる同輩の多くに、地球浄化の大事業への参加の要請があったのです。それには、これまで辿ってきた道のりを逆戻りしなければなりません。が、私は喜んでお引き受けして、それまでに蓄積した体験から得た知恵、知り得た大自然の摂理の働き、宇宙の大霊についての理解と崇敬の念、及びその大霊から届けられる恵みの全てを皆さんにもお分けすることにしたのです。
 勿論、霊的に受け入れの用意が出来た人にお分けするということです。ここにお集まりの皆さんにはその用意がおありです。私達は協調の体勢で地上を浄化し、より美しい、生き甲斐のある生活の場とする為の大事業計画の一端を担うことが出来た皆さんは、この上ない光栄に浴されておられます。私も光栄です。
 地球浄化の一環として私達が携わっているのは、物欲第一主義の打破です。これはいわば地球のガンです。利己主義・貪欲・強欲・暴力-これらはみな物欲第一主義の副産物です。これらを無くし、地上の子らが精神的にも霊的にも豊かさを享受して、互いに協調し合える世界を築くことが目的です。
 今、私達はそういう仕事に携わっているのです。これは大規模な戦です。皆さんの中には将校として参加すべく武装している最中の方もいます。小競り合い程度の問題で絶え間なく葛藤させられているのは、その大規模な戦に備えて、将校としての資質を試されているのです。
 ですから、迷わず突き進んでください。常に最善のものを求めてください。そうした努力が大霊へ近付かせ、創造の大源から放たれる愛に浸らせることになるのです。大霊の祝福のあらんことを」