初めて交霊会に招かれた南アフリカの人類学者(氏名は公表されていない)がまず次のように挨拶した。

「今こうして自分がこの交霊会の場に出席していることを思うと、言葉に言い尽くせない程の嬉しさで胸が一杯です。あなたの霊言と出会ってもう随分になります。あなたという存在を尊敬しておりますし、お説きになる思想にも感銘を受けております。このサークルについては随分前から知っておりました。私との交際や人類学の仕事が縁となってあなたの教えを知るようになった人が大勢おります。
 是非申し上げたいことは、この六週間にわたって数カ国を訪れた私の旅の最後の夜が、こうしてあなたの交霊会への出席という夢のような体験で祝福されて、感激しているということです。
 心からお礼を申し上げます」

「私の方こそ、あなたをお迎えして、とても嬉しく思っております。いつもそうなのですが、ただのマウスピースにすぎない私が皆さまのお役に立っていることを知ると、嬉しさで心が満たされます。あなたは霊的真理という大きな知識をお持ちです。人類学者としてのお仕事そのものが、いかなる国民も、いかなる国家も、いかなる宗教も、大霊すなわち神の力を独占出来ないということを証明しております。
 私達霊界の者は肌の色には全く関心がありません。肌の色は肉体だけのもので、魂には色はありません。黄色の魂、赤色の魂、黒色の魂などというものは存在しません。魂はその始源においては全てが同等です。一人ひとりが、あなた方が神と呼んでいる大霊の表現なのです。
 霊的観点からすれば、地上のいかなる民族の間にも障壁はありません。障壁があるとすれば、それは地理的なもの、物質的なもの、人間が勝手にこしらえたものばかりです。皮膚の色とか国家の違いは、いかなる意味での優越性も生み出しません。優越性はサービスと霊性の開発と熟達度によって決まるのです。
 私達霊界の者は地上人類を一つの霊的大家族とみております。全体を一つに繋ぎ止める霊的な絆があることを実感しております。
 そのこと、すなわち全人類は霊性において一つであるということを知らねばなりません。地上生活の目的は人の為に役立つことをする・・・つまりお互いが助け合うということ、そして、そうした生き方の中で霊的に、精神的に、そして物質的に、あらゆる束縛から解き放たれることです。いかなる形にせよ、束縛されるということは、いかなる原理に照らしても間違いです。
 その点あなたは心眼を開かれ、より大きな生命の世界の存在による驚異的現象をその目でご覧になり、霊力の恩恵にあずかっておられます。あなたはその恩恵へのお返しとして、あなたが導かれたように他の人々を導く努力をなさってこられました。心の底からの正直で真摯な叫びが無視されるということは決してありません。こちらの世界には地上界の為に役立つことをしたいと願う霊達の感知装置が張り巡らされております。善行にうんざりなさってはいけません。
 あなたは今、色々と難題を抱えた国にお住まいです。が、動機に私欲がなければ、暴力や流血なしに解決のつくものばかりです。動機が肝心です。私心があってはなりません。同胞が手にすべき当然の権利を獲得する為に尽力するということであらねばなりません。
 あなたが携えておられる真理は、他の国と同じようにあなたの国においても根付くべき真理です。あなたはそれがお出来になる方だからこそ、そこまで申し上げるのです。今日のこの交霊会があなたのお役に立てば、私はもう何も申し上げることはありません。これが私の本来の使命だからです」

 ここでプライベートなメッセージを述べた後、シルバーバーチがこう述べてその日の会を締めくくった。

「霊団の援助についての一抹の不安が万一あなたの心を過ぎるようなことがあったら、その時は一旦その疑念を止めて、これまでにあなたが辿って来られた道を振り返ってごらんになることです。間違いなく、目に見えない力による指示があなたをここまで導いてきていることに気付かれる筈です。
 その事実をあなたの生活の自信になさることです。これまで導いてくれた力が、これからも導いてくれない筈はない、と。
 ただ、これまでも幾度か申し上げてきたことですが、背後霊には背後霊なりの手段と手順があることを忘れないでください。人間の勝手な都合に合わせるわけにはいかないのです。しかし、決して見捨てることだけは致しません。あなたなりの最善を尽くしていれば、それでよろしい。霊界と地上界とで協力し合って、地上の暗部に光をもたらすことが出来ます。無知に代わって知識を、迷信に代わって真理を、病に代わって癒しを、そして喪に代わって激励を授けてあげることが出来ます。
 それこそが私達大霊団が組織された目的にほかなりません。高級界の進化せる存在-ただひたすら自分を役立てることだけを目的として地上圏へ降りて来ている高級霊の間では、地上世界も必ずや現在の不健全な状態から脱して、美しさに溢れた世界になるとの確信があるのです。
 あなたは本日こうして私達同志と互いに語り合うことが出来たことを大霊に感謝すべきです」