「他の天体に降誕した霊が、後に地球へ降誕することもあります。地球上の生命の創造は霊力によって行なわれました。高級霊になれば、地球の大気から摂取した成分を加工し生命の要素を吹き込むことによって、新しい創造物を形成することが出来ます。霊の創造は今尚、地上においても霊界においても、絶え間なく続けられております。生殖本能は地球のみに限られているのではありません。
 新しい生命、言うなれば魂を宿した動物的生命は、途切れることなく地上へ誕生しております。精神は物質の付属物ではなく、別個の誕生と創造の起原を有します。新しい霊の創造は大気中の成分を凝縮することによって行なわれます。その凝縮した成分が我々霊的存在と人間的存在との連結の媒体となります。いずれ、その成分に宿った魂が人間として地上へ誕生するのに要する条件、及び地上期間中にいかなる陶冶(とうや)を受けるかが人類に語り明かされる日も到来しましょう。それは今皆さんが迎えつつある時代に属する課題です。その為には多くの古い偏見が淘汰されねばなりません。が、人間の頑迷さが取り除かれ、敵対者の軍団(後注)を追い散らすことさえ出来れば、その後に訪れる光明は真昼の太陽の如く皓々(こうこう)たる輝きに満ちていることでしょう」

 (注)-『霊訓』から邪霊集団の影響についての通信の一部を紹介する。
 《既に聞き及んでいようが、今貴殿を中心として進行中の新たな啓示の仕事と、それを阻止せんとする一味との間に熾烈な反目がある。我々の霊団と邪霊集団との反目であり、言い変えれば、人類の発達と啓発の為の仕事と、それを遅らせ挫折させんとする働きとの闘いです。
 それは何時の時代にもある善と悪、進歩派と逆行派との争いである。逆行派の軍団には悪意と邪心と悪知恵と欺瞞に満ちた霊が結集する。未熟な霊の抱く憎しみに煽られる者もいれば、真の悪意というよりは、悪ふざけ程度の気持から加担する者もいる。要するに、程度を異にする未熟な霊が全てこれに含まれます。闇の世界より光明の世界へと導かんとする、我々を始めとする他の多くの霊団の仕事に対して、ありとあらゆる理由からこれを阻止せんとする連中です。(中略)
 そうした集団に集まるのは必然的に地縛霊・未発達霊の類である。彼等にとって地上生活は何の利益ももたらさず、その意念の赴くところは、彼等にとって愉しみの宝庫ともいうべき地上でしかなく、霊界の高尚な喜びには何の反応も示さない。かつて地上で通い慣れた悪徳の巣窟をうろつき回り、同類の地上の人間に憑依し、哀れな汚らわしい地上生活に浸ることによって、淫乱と情欲の満足を間接的に得んとするのです。(中略)
 こうした現実が身の回りに実在するのです。それに人間は一向に気付かない。そうした悪疫の巣がある-あるどころか、ますます繁栄し、のさばる一方でありながら、それを批難する叫び声が一体地上のいずこより聞こえるであろうか。なぜどこからも批難の声が上がらぬのであろうか。
 なぜか。それも邪霊の働きに他なりません。その陰湿な影響力によって人間の目が曇らされ、真理の声が麻痺されているからに他ならないのです》

 「皆さんは霊力の一方ならぬ恩恵に浴しておられます。人類全体においても霊的感覚が増大しつつあり、一歩一歩、霊的影響力の存在が顕現されつつあります。今地上に行き渡りつつある霊力の波はキリストの時代のそれに類似しています。今明かされつつある教えがこれより後、キリストがもたらした教えの如く(人間的夾雑物によって)汚されることがなければ幸いです。
 今日キリストの御名の下に教えを説いている者の多くが、キリストが実際に説いたものとは似ても似つかぬものを説いております。我々が今新たに神の始源からお持ちしている真理も、全ての真理が当初において必ず遭遇する運命に遭遇することでしょう。が、人間がそれを受け入れる時代も間近に迫っております。我々が恐れるのは我々の使命への反抗よりも、寧ろ無関心の方です。問い質すことをせず、疑念を抱く程の関心すら持たない、感覚の麻痺した、冷ややかな、生命のない無関心です」

 この後インペレーターは、この民主主義の時代においてはキリストのような巨大な予言者が一人だけ出現しても効果はないこと、これからの時代は真理が様々な手段で様々な人間に届けられること、精神構造が異なれば真理も又異なった種類のものが必要であること。これからスピリチュアリズムに対する大きな反抗が予想されるので、それに対する備えがなければならぬこと、新しい真理の啓示に抵抗はつきものであることを語った。