自殺ダメ


 (自殺ダメ管理人よりの注意 この元の文章は古い時代の難解な漢字が使用されている箇所が多数あり、辞書で調べながら現代で使用するような簡単な漢字に変換して入力しています。しかし、入力の過程で、間違える可能性もあります故、どうかご了承ください)

ステッド『恐らくあなた方には我々幽界居住者の有っている感識力の、いかに強烈であるかを会得することは出来ないと思う。何となればそれはどこまでも遠く達し、どこまでも深く進み、何物にも透徹し、何物をも抱擁することの出来る感識力であるから・・・。
 地球発達の巻物は、我々の前に繰り広げられ、我々の読むに任せられている。地球に生物が発生するずっと以前からの進化の歴史・・・第一期の科学的結合に続いて植物の生命が現れ、植物から動物、動物から意識と、順次に発達した歴史が繰り広げられている。その意識も最初は物質と不離の関係にあるが、やがて我々のような精妙稀薄なる超物質的存在となる。
 ナニ未来が見えるかと仰るか。それは見えぬではないが、私に見えるのは寧ろ霊(スピリット)の世界である。慨して未来を知ることは過去を知ることよりも困難で、現在の私の発達程度では或は充分の事は出来ぬかも知れぬ。
 全ての人は皆優れた能力の可能性を有っているが、それが役に立つまでには充分これを開発せねばならぬ。能力の開発が我々幽界居住者の仕事である。但し各人同一程度にこれ等の能力を有するものとは思われない。
 何故に個々の能力が相違しているか、何故に生の表現が種々雑多であるか、又それがいかなる手続きで行なわれるかは私には不明である。天地の法則が一様に働けば均一物が造り出さるべきであると想像して差し支えない筈である。が、それは私の尺度が余りに微細に過ぎ、まだ各自の均一性を計ることが出来ない為であろう。
 少なくともこれだけの事は現在の私にも判る。地上生活に於いては生まれながらの不具者、廃疾者もあるが、幽界に生まれるものにはそれが絶対に無いことである。彼は智的にも、又霊的にも、その能力の全部を携えて出現し、何人にも劣らず向上発展の機会をつかむことが出来る。無論その機会をつかむか、つかまないかは本人自身の器量次第である。それから各人その趣味が違い、願望が違う。種々雑多の人物が集まりて一の世界を組織している状態は地上の世界と同一である』(四月六日)