自殺ダメ
幽体離脱が事実であり人類に共通した可能性を持つものであるならば、その事実は歴史上にも見られる筈である。確かに通常は目に見えない霊的身体の観念は東洋にもエジプトにもギリシャにも見受けられる。新プラトン派ではこれをAstroeideと呼んだ。元の意味は〝星のような光輝を放つもの〟という意味で、英語のAstroeide と呼んだ。元の意味は〝星のような光輝を放つもの〟という意味で、英語のAstral と語原が同じらしい。似たような概念は未開人と文明人の区別なく世界中に見られる。自然発生的な例も古い文献に数多く出ている。
幽体離脱の問題に何らかの光を当ててくれるものとしてはアントン・メスメル(1734~1815)が病気治療に利用したメスメリズム(かつては動物磁気(アニマルマグネティズム)ないし生体磁気(バイオマグネティズム)と呼ばれた)に関連した実験が最初であろう。患者の身体に触れるか触れないかの距離で施術者が手を前後させることによって知覚が異常に明晰な状態に誘導される。これを夢遊病や催眠状態と混同してはならない。その状態において患者によっては自分並びに他人の身体を透視し、内臓器官を観察してその機能や健康状態を適確に述べることが出来たり、遠距離の土地へ行ってそこで観察したものを叙述したりすることが出来る。
その結果はドイツ人ヨハン・H・ユングによる「霊知識の理論」 Theorie der Geisterkunde by Johann H. Jung(1809)に反映している。米国の東部からロンドンへの実証性に富む実験的幽体離脱に関する詳しい報告が載っている。その証例は信頼の置ける筋からのもので、ユングは間違いのない歴史的事実と断定している。その論じるところを読むと、この種の問題におけるユングの洞察力の鋭さに感銘させられる。
時代的に更に新しい幽体に関する研究としてはカール・デュ・プレルによる「魂の一元論的私論」 Die monistische Seelenlehre by Carl Du Prel (1888)が挙げられる。このタイトル自体にやや問題があるが、新旧の諸説を考察し、四肢が切断された後も完全な知覚が残っている問題、各種の幽霊現象、夢遊病、主観的心霊現象、霊視と幽界旅行の違い等々について論じている。
デュ・プレルの観察では幽体は肉体のその時の状態、例えば着ている衣服や負傷箇所などがそのまま現れる場合と現れない場合とがあり、スイスの医学者パラケルススの次の説、すなわち肉体の欠陥及び知能上の欠陥も物体身体だけに起因した症状であって、死後の幽体にはそれは見られない、という説を引用している。また有名になったサゲーという女性教師にまつわる幽体離脱の例を論じている。サゲー先生は授業中にひとりでに(たとえ抵抗しても)幽体が離脱し、それがその度毎に可視性が異なり、生徒や仲間の教師や事務員がそれを証言している。このケースなどは人間に幽体という別個の身体が具わっていることが紛れもない事実であることを証明している。
デュ・プレルは更に幽体によってローソクの火が消されたり、スレートに文字が書かれたりした事実を挙げている。所謂リパーカッション現象、つまり催眠状態において遊離した幽体に針を突き刺すと肉体の同じ箇所に痛みを感じ、時には血が出ることもあるという現象も観察している。
幽体離脱が事実であり人類に共通した可能性を持つものであるならば、その事実は歴史上にも見られる筈である。確かに通常は目に見えない霊的身体の観念は東洋にもエジプトにもギリシャにも見受けられる。新プラトン派ではこれをAstroeideと呼んだ。元の意味は〝星のような光輝を放つもの〟という意味で、英語のAstroeide と呼んだ。元の意味は〝星のような光輝を放つもの〟という意味で、英語のAstral と語原が同じらしい。似たような概念は未開人と文明人の区別なく世界中に見られる。自然発生的な例も古い文献に数多く出ている。
幽体離脱の問題に何らかの光を当ててくれるものとしてはアントン・メスメル(1734~1815)が病気治療に利用したメスメリズム(かつては動物磁気(アニマルマグネティズム)ないし生体磁気(バイオマグネティズム)と呼ばれた)に関連した実験が最初であろう。患者の身体に触れるか触れないかの距離で施術者が手を前後させることによって知覚が異常に明晰な状態に誘導される。これを夢遊病や催眠状態と混同してはならない。その状態において患者によっては自分並びに他人の身体を透視し、内臓器官を観察してその機能や健康状態を適確に述べることが出来たり、遠距離の土地へ行ってそこで観察したものを叙述したりすることが出来る。
その結果はドイツ人ヨハン・H・ユングによる「霊知識の理論」 Theorie der Geisterkunde by Johann H. Jung(1809)に反映している。米国の東部からロンドンへの実証性に富む実験的幽体離脱に関する詳しい報告が載っている。その証例は信頼の置ける筋からのもので、ユングは間違いのない歴史的事実と断定している。その論じるところを読むと、この種の問題におけるユングの洞察力の鋭さに感銘させられる。
時代的に更に新しい幽体に関する研究としてはカール・デュ・プレルによる「魂の一元論的私論」 Die monistische Seelenlehre by Carl Du Prel (1888)が挙げられる。このタイトル自体にやや問題があるが、新旧の諸説を考察し、四肢が切断された後も完全な知覚が残っている問題、各種の幽霊現象、夢遊病、主観的心霊現象、霊視と幽界旅行の違い等々について論じている。
デュ・プレルの観察では幽体は肉体のその時の状態、例えば着ている衣服や負傷箇所などがそのまま現れる場合と現れない場合とがあり、スイスの医学者パラケルススの次の説、すなわち肉体の欠陥及び知能上の欠陥も物体身体だけに起因した症状であって、死後の幽体にはそれは見られない、という説を引用している。また有名になったサゲーという女性教師にまつわる幽体離脱の例を論じている。サゲー先生は授業中にひとりでに(たとえ抵抗しても)幽体が離脱し、それがその度毎に可視性が異なり、生徒や仲間の教師や事務員がそれを証言している。このケースなどは人間に幽体という別個の身体が具わっていることが紛れもない事実であることを証明している。
デュ・プレルは更に幽体によってローソクの火が消されたり、スレートに文字が書かれたりした事実を挙げている。所謂リパーカッション現象、つまり催眠状態において遊離した幽体に針を突き刺すと肉体の同じ箇所に痛みを感じ、時には血が出ることもあるという現象も観察している。