自殺ダメ


 見えない壁の向こうに
 [死後の世界]
 J・S・M・ワード著
 浅野和三郎訳


(注)この本は相当以前に出版された本であり、現代文風に変えて出版されている訳ではない。なので、どうしても古めかしい文章表現になるし、漢字も最近では殆ど使用しないような漢字が多々ある。しかし、私、自殺ダメ管理人の方でも、なるべく読者に読み易い形には多少変えていたり、とてつもなく難しい読みの漢字には振り仮名も振っている。しかし、文章を読む力は個々人でそれぞれ違う。故に、この文章を読むのがとても大変に思う人もあると思うが、まあ、頑張ってください。



死後の世界(解説)


□ケンブリッジ大学ワード学士の驚くべき霊能
□死後の世界の徹底的大探検

一 ワード氏の人物とその霊能


 近年の欧米諸国にはそれぞれ特殊な方法を以って霊界の消息を探る者が雲霞の如く続出し、或る程度までその裏面の状況を知る事が出来るようになりましたが、しかしその中で燦然として群を抜くの観あるものは確かにジエ・エス・エム・ワード氏であろうと私は考えます。同氏はケンブリッジ大学のトリニティ・ホールのスカラァであり、バチェラア・オブ・アーツの学位を有しております。世界に霊媒は沢山ありますが、学識頭脳品格等が兼ね備わり一個のただの人間としても、押しも押されもせぬという者は殆ど見当たりません。この点のみでもワード氏は大いに注目に値します。果たせるかな同氏の霊界探検は微に入り細に入りて條理整然、加えるにその文芸的手腕が侮るべからざるものがあり、幽界の状況は躍如として紙面に浮かび出るの感があります。同氏の著作は目下二部程出版されております。即ち『ゴーン・ウエスト』とその続編の『サバルタアーン・イン・スピリット・ランド』がそれであります。私が初めてこれに接したのは一昨大正十二年の夏で、その価値の甚大なるに驚嘆し早速これを本邦の読者に紹介したいと思ったのですが、たまたま例の大震火災が勃発して何もかも一切焼失しました。その後同書の再注文を発し、ようやく大正十三年の秋にこれを入手したような次第であります。既に私からは直接ワード氏と何回も交渉を重ね、前記二名著の翻訳紹介に関してはその快諾を受けてあります。
 霊媒的素質は元来天稟(てんぴん)で、一の宿命であり、約束であるようです。ワード氏の場合に於いても別に同氏がこれを習得すべく努力したからその能力を得たという訳ではなく、寧ろ同氏の叔父に当たるL氏の霊魂がワード氏に霊媒的能力のある事を察知し、霊界の方から面倒を見て同氏をしてこの貴重なる通信を行なわしめたのであります。但しワード氏が多年心霊上の諸問題に没頭していたことは勿論であります。
 同氏の霊界探検方法はこれを三種に分かち得るようです。即ち霊視能力、自動書記、並びに霊魂遊離の三つであります。
 一、霊視能力-これは彷彿としてワード氏の心眼に霊界の一部が映ずるのでありまして、最初は氏自身も普通の夢かと考えたのですが、それが自分の叔父の死亡せる毎月曜に繰り返され、しかも全然明瞭正確、且つ連続的で、前回の夢の続きが次回に現れて来るのです。夢の中に見るものは主として霊界の状況で、前人未発の原野を縦横に探究し、そしてそれが悉く正確であったのです。
 二、自動書記-ワード氏のは全然無意識の恍惚状態に入りてこれを行なうので、従って当人の意識は全然混入しておりませぬ。一部の心理学者などは直ぐにこれを潜在意識説などに帰着せしめんとしますが、それは無理であります。ワード氏自身も潜在意識説には大反対説を抱いております。氏は『ゴーン・ウエスト』の序文の中にこう述べております-「私も潜在意識なるものの存在は認めますが、しかし多くの場合に於いてこの言葉は科学者達が普通の物理的法則を以って説明し得ざる現象を説明するに使用する一つのカラクリです。科学者達はそれ等の現象が霊魂の所為であると認めることを嫌っているのです。よし潜在意識説を最高価値に見積もってみたところで、私が得たる霊界の消息-各方面で研究の結果全然正確なりと認められたる消息の出所を説明することは出来ません。私はここに多くの実例中から一例を挙げます。それはPという人の霊魂から私に与えられた通信の一節ですが、それにはこうあります-
 「私(Pの霊魂)は当地に於いて会合せる一友人の姓名を貴下にお知らせしますが彼は浸禮(しんれい・キリスト)教徒であって、その名をリチャルド・グレシャム・バーカーと言い、1807年10月20日の生まれであります。かつてノッティンガムの執行官であり、又バビングトンで或る炭鉱の支配人を務めたことがあります。彼は1892年6月21日を以って死に、その兄弟のジョンという人は二度ノッティンガムの市長を務めました」
 右の霊界通信は百方調査の結果寸分事実に相違ないことが証明されました。この一事だけでも潜在意識説を打破するに充分です」云々。
 三、霊魂遊離-これがワード氏の最後に発揮した能力で、『ゴーン・ウエスト』の一部にもそれがありますが殊にその続編たる『サバルターン・イン・スピリット・ランド』の全部は主としてこの方法で出来上がっております。これは恍惚状態に於いて同氏の霊魂が肉体から離脱し、霊界の実地探検を行なうのであります。ワード氏の実弟のレックスという人は陸軍中尉で1914年4月欧州戦場で戦死を遂げましたが、ワード氏は恍惚状態に於いてしばしばこの実弟と霊界で会合し、常に相携えて種々雑多の実験調査に当たりました。ワード氏の霊能はこれに至りて最高潮に達しているようで、記事の精確、観察の鋭利、又その描写の巧みなることは到底空漠たる普通の神憑りの産物と同日に談すべくもありませぬ。全編何処を通読しても仇や疎かな文字は見当たりませぬが、私はその中で特に本邦の心霊研究家にとりて多大の参考になる部分を、順次に紹介していきたいと存じます。
       
       
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