自殺ダメ



 ワード氏が霊界並びに幽界に於いて接触した人物は余程多数に上りますが、多くの場合に於いてその人の名誉を重んずる為に生前の実名をすっぱ抜かず、単に略字のみが使用されております。
 第一に紹介せねばならぬ人物は同氏の叔父にして同時に妻君の父なりしL氏で、この人は1914年1月5日に死亡したのであります。ワード氏が霊界探検を行なうに至りましたのは主としてこの叔父の斡旋にかかり、常にこの人の霊魂が霊界でワード氏を引き回しております。余程世故にも長け、又頗る事理を解せる好老紳士らしい人ですが、生前は余り信仰問題を歯牙にかけず、死後余程マゴついた様子が見えます。当人もこれではいけないと気が付いたので、生前の罪滅ぼしの為に、自分の甥が霊媒的天分を豊富に有しているところに着眼し、これを媒介として現幽交通の途を講ずることになったのであります。ワード氏は霊界に於いて色々の人物に面会しますが大抵この叔父さんが側に付いていて顧問役兼案内役を勤めていてくれます。この人は主として霊界の第一段目-半信仰の境地につきて説明役を受け持っております。
 次に重要なる霊界の人物はワード氏の実弟なるレックス中尉であります。この人は前にも述べた通り1916年オランダの塹壕戦で戦死し、その霊魂は他の多くの戦友の霊魂と同じく幽界(アストラル・プレーン)の第五段の執着境から進んで第六段の超執着境に居住しております。従ってそれ等の境地の状況はもっとも詳しくこの人によりて調査探究せられ、それが兄のワード氏に報告せられ、ここに霊界文学として前後に匹儔(ひっちゅう)を絶てる大文字を作成しております。
 ワード氏の母-この人が又レックス中尉が戦死したと同年の秋に帰幽し、幽界の第六段目に於いてレックスと邂逅(かいこう)し、非常に有意義なる幾多の経験を重ねております。ワード氏は叔父の霊魂と相携えてしばしば母や弟と面会し、飛んだ所で不可思議なる一家団欒の楽しみを味わっているのです。小説に似てしかも小説でなく、空想に見えて決して空想ではなく、人間界に出現せる文字の中でおよそこれ位奇抜で意味深長で、そして興味津々たるものは滅多に見当たりません。
 地獄並びに幽界は罪悪方面の体験者としては匿名の某陸軍士官がおります。この人は生前に於いて大変な悪漢で、殺人、誘拐、詐欺その他色々の悪行を重ね、監獄にも入れられたことがあり、又かつてインド、日本等にも来ているそうです。死後は地獄に堕ち、非常に辛い目に遭っていますが、後悔悟して罪滅ぼしの為に霊界で目覚しい大活躍を開始したのであります。叔父の霊魂の紹介によりワード氏はこの人の霊魂と交通往来し、幾多の豊富なる珍材料を手に入れております。
 なお外に霊界の第二段目にいるPだの、霊界の最上境にいる某僧侶だの、又幽界の平凡な所にいるAだのというのがあり、その他チョイチョイ顔を出す者が沢山ありますが、それは記事を読む内に次第に判ってまいりましょう。
       
       
自殺してはならない霊的な理由 自殺志願者は、まず[自殺の霊的知識]を読んで!
[自殺の霊的知識]へ